昭和が漂う街並みの尾道ですが、太平洋戦争での空爆による被害をまぬがれた建物も多く、昔ながらの建物が残ります。
この尾道造酢の建物も、会社が創立した大正時代、そのままの姿。
天井を見上げれば大きな梁、柱が見渡せます。





酢造りの工程の中で、原料(酒粕と糖質を含む原料)を圧搾する船という設備も、創立時、そのままの姿と言われます。



酢造りの工程を聞くところ、原料にこだわり(質の良さ、安心、安全な)、原料と酒粕を水に溶解し圧搾、殺菌(加熱)、搾汁酢を酢酸発酵させます。
その後、半年以上の熟成期間を与えるとまろやかな、やさしい味わいの本物のお酢が出来上がります。





資料によると尾道には酢づくりをする会社が多く存在しましたが今は2社が続けています。

尾道造酢の会社創立は大正時代。ただ、その前身、橋本家(東灰屋)が酢づくりを始めた創業は天正年間(1573年~1592年)
受け継がれた技法と現代の技術を融合した、本格醸造にこだわり、創業から430年の経験を継承した会社です。
 
「いちじく酢の製造のきっかけは?」と尋ねると、
「尾道のいちじくは県内1位、全国有数の出荷量。この尾道の銘産でお酢は出来ないか?との話が持ちあがった事。」

醸造すると、糖度が十分にあるいちじくは、酢の原料として良いようで、よく発酵したようです。いちじくはアルカリ性食品であり酢の効果と相性よく、ヘルシーな飲用の酢として誕生です。


いちじく酢 熟成タンク画像
 
尾道造酢のカクホシ酢の理念とは・・・。
カ・・・感謝の気持ちと ク・・・苦心の技で ホ・・・本物の味で シ・・・仕込む店

尾道の地で430年、当地と由来のある商品も出来ました。知る人ぞ知る銘酢を生む会社と感じています。



                                       取材担当 造力英明

所在地 広島県尾道市久保1丁目5-2
尾道造酢株式会社

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